2月衆院選「投票できず違憲」=海外在住有権者、国提訴―東京地裁



解散から投開票まで戦後最短となった2月の衆院選で、海外からの郵便投票が間に合わなかった海外在住の有権者4人が10日、適切な制度構築を怠ったのは憲法違反だとして、国に慰謝料計約5万円の損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こした。

原告はドイツ、フランス、オーストラリア、カナダに在住する40~70代の男女4人。2月の衆院選は、高市早苗首相が1月19日に衆院解散を表明し、解散から投開票までの日数は戦後最短の16日間だった。

訴状によると、3人は自治体からの投票用紙の交付後、速やかに返送したが、投開票日までに到達しなかった。1人は選挙期間中に投票用紙が手元にすら届かず、いずれも衆院選と最高裁裁判官の国民審査の投票ができなかった。

在外公館で投票する手段もあるが、長距離の移動や多額の費用が必要だという。原告側は「国は在外邦人が特別な負担なく選挙権を行使できるよう立法すべきだったのに怠った」と主張している。

提訴後、原告の東田孝昭さん(72)はオンラインで記者会見し、「在外邦人の意見が国内政治に反映されることは、今の日本社会にとって大事なことだ」と訴えた。

在外邦人の選挙権を巡っては、最高裁が2005年、国政選挙の選挙権行使を一切認めなかった改正前の公選法などを違憲と判断。22年には国民審査についても違憲と判断し、国はいずれも法改正した。

林芳正総務相の話

訴状が到達しておらず、コメントは差し控える。

〔写真説明〕2月衆院選の在外邦人の選挙権を巡り、国に損害賠償を求める訴訟を起こした後、記者会見する弁護団=10日午後、東京都千代田区

2026年07月10日 18時47分


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