「緑のカーテン」、涼しさ広げる=植物の仕組み利用、被災地でも―NPO担当者「文化になれば」



今夏の高温予想を受け、窓辺でゴーヤやアサガオなど、つるのある植物を育てる「緑のカーテン」が注目されている。電気を使わずに涼を得ることができ、普及を目指すNPO法人「緑のカーテン応援団」(東京都板橋区)は被災地の仮設住宅にも設置。担当者は「カーテンが文化になれば」と意気込む。

緑のカーテンは、根から吸い上げた水分を葉の裏側から放出する植物の仕組みを使って内側を涼しくする。設立の中心となった不動産開発会社が8月の晴天の正午すぎに効果を測定したところ、マンション室外の直射日光が当たるバルコニーの床面は50度を超えたが、カーテンの日陰は32~38度だった。

同社会長でNPO理事長、鈴木雄二さん(58)によると、地元の板橋区立小学校からの提案で2003年、児童らによるカーテン作りが始まり、同社などが手伝ったのが活動のきっかけ。環境教育の一環として広まり、07年にNPO法人を設立して普及に取り組んできた。

11年3月の東日本大震災と東京電力福島第1原発の事故では、東京でも計画停電が実施されるなど、全国で節電意識が高まった。大震災では多くの仮設住宅が建てられたが、仮設住宅は一般的に通常の住宅より断熱材が薄いとされ、鈴木さんは「被災者が熱中症になればさらなる悲劇だ。人ごとではない」と支援を決めた。

活動は共感を呼び、16年12月までに計約2100万円の寄付がNPOに寄せられ、約1000人のボランティアが参加。岩手、宮城、福島の3県を中心に延べ約2万戸の仮設住宅でカーテンが作られ、住民からは涼しさだけでなく「水やりで外に出るため近所の人と仲良くなった」との感謝の声を聞いたという。

24年元日の能登半島地震では、石川県七尾市など4市町で25年までに計1356戸にカーテンを設置。今年5月には、岩手県大船渡市の山林火災の被災者が入る仮設住宅でも活動を行った。

被災地支援では「被災者が気持ちを吐き出せるように」と、懇親の場を設けるなど、交流も重視する。鈴木さんは、緑のカーテンという言葉の浸透に手応えを感じつつ、「カーテン作りが文化になるところまで目指したい」と力を込める。

〔写真説明〕能登半島地震の被災地で作業するNPO法人「緑のカーテン応援団」の鈴木雄二理事長(右奥)ら=2025年8月、石川県七尾市(同法人提供) 〔写真説明〕取材に応じるNPO法人「緑のカーテン応援団」の鈴木雄二理事長=5月22日、東京都板橋区

2026年07月12日 07時02分


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