
共同通信社は14日、1984年に滋賀県で酒店経営の女性が殺害され金庫が奪われた「日野町事件」の再審公判を巡り、検察側が有罪立証を行う方向で調整しているとした6月18日配信の記事を取り消したと発表した。検察側が立証を断念した経緯を説明した同19日配信の記事なども取り消した。いずれも誤報だった。
同社は担当デスクだった大阪支社社会部次長を出勤停止7日とするなど、11人を7月13日付で懲戒処分とした。沢井俊光社長と山根士郎常務理事・編集局長は役員報酬を一部返上する。前編集局長の有田司常務理事には、社長が厳重注意した。
再審公判では、6月19日に開かれた検察、弁護人、裁判所の3者協議で検察側が有罪主張しない方針を示した。調査した結果、担当デスクは「検察側は有罪立証する」との思い込みに基づいて担当記者の取材内容を解釈し、十分な裏付けがないまま同18日の記事を配信していた。
誤報が明らかになった後も検証が不十分なまま、19日の記事を配信した。同社は再発防止に向け、チェック体制の強化や新たな研修制度の導入を進めるとしている。
山根編集局長の話
記事はいずれも誤報で、取材に基づく正確なニュースを発信すべき報道機関としてあってはならないミスだった。関係者や読者の皆さまにご迷惑をかけたことを深くおわびする。事案を重く受け止め、徹底した再発防止策に全社を挙げて取り組む。
〔写真説明〕共同通信本社=東京都港区
2026年07月14日 19時16分