取り調べ映像「公開制限を」=法務省、全国に通知―「知る権利」侵害恐れも



検事による取り調べの違法性を訴える国家賠償請求訴訟が相次ぐ中、法務省は2月、必要に応じて取り調べ映像を証拠提出すべきだとする一方、法廷での再生は避けるなどの「公開制限」を検討するよう各地の法務局に通知した。

大阪地検や横浜地検でも検事の取り調べが問題となり、国賠訴訟の法廷で映像が再生された。こうした状況を受けた対応とみられるが、国民の知る権利の侵害につながりかねないとの批判も出ている。

通知は「検察国賠訴訟における基本的な方針」と題する計9ページの文書。時事通信が同省への情報公開請求で入手した。

それによると、検事の発言内容だけでなく、声の大きさや態度などが訴訟で問題とされた場合、映像が「最良証拠であることは否定し難い」と言及。一方、外部に流出すれば、第三者のプライバシー侵害の恐れや、取り調べへの協力をちゅうちょさせるなど「今後の捜査公判に支障を生じさせかねない」とした。

このため、映像を裁判所に証拠提出する際は、マスコミなどに提供しない旨の誓約書を求める▽訴訟記録の閲覧制限の申し立てを行う▽非公開の弁論準備手続きで証拠調べを実施するよう求める―ことなどを検討すべきだとした。

10日に東京地裁で取り調べ映像が再生された訴訟で代理人を務める河津博史弁護士は「検察の不適切な取り調べの実態を国民に知られないようにする趣旨と見られても仕方がない。国民の知る権利を著しく軽視している」と批判している。

〔写真説明〕情報公開請求で開示された「検察国賠訴訟における基本的な方針」と題する通知=5日、東京都中央区

2026年08月10日 20時33分


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