少しずつ前へ向く=熊本地震1カ月



熊本県で最大震度7を観測した地震から間もなく1カ月。県内の住宅被害は約4万棟に上り、今も多くの人が避難所での生活を余儀なくされている。断水の解消に時間がかかるなど、いまだ厳しい状況が続くなか、被災地では力強く前を向き、日々を過ごす人たちの姿があった。

〔写真説明〕熊本県八代市で21日、天真保育園と日奈久はぐくみ児童クラブの子どもたちによるスイカ割りが行われた。児童クラブの小学生向けに予定していた寺に宿泊するイベントが地震で中止となった代わりに用意された。地震発生当時は保育の時間で、まだ怖がる子もいるという。「みんなの力を合わせて、地震で経験した嫌な思いを力に込めてたたいて、乗り越えていけたら」と園長の草部雅史さん(59)。みずみずしいスイカを頬張る子どもたちの顔から笑みがこぼれた。 〔写真説明〕熊本県のマスコットキャラクター「くまモン」が地震発生から約3週間ぶりに活動を再開し、氷川町などの避難所を回った。同町の竜北東小学校では、「おうちが崩れちゃったけど頑張るよ」と語り掛ける人や、「元気が出るね」と抱き付く人たちの姿があった=16日 〔写真説明〕復活に向け、建設業者らに被害状況を説明する日奈久温泉街の老舗旅館「金波楼」館主の松本啓佑さん(46、写真)。明治時代創業の宿は激震で国登録有形文化財の正門が倒壊し、本館の窓枠はひしゃげ、大広間は波打つようにゆがんだ。10年前の地震でも被害を受け、いまだ借金の返済は終わっていないが、ファンから届く数々の寄付や励ましの言葉で一歩を踏み出した。「どのような形になるか分からないが、金波楼の名前は守っていきたい」。9月1日からはクラウドファンディングを始めるという=20日、熊本県八代市 〔写真説明〕熊本県氷川町に設置された簡易住宅「インスタントハウス」では、1日から住宅に被害を受けた人たちが生活を始めた。テント生地を送風機で膨らませ、内側に断熱材を備えたもので、直径約5メートル、高さ約4メートル。クーラーや冷蔵庫なども設置できる。開発した名古屋工業大の北川啓介教授(52)は「今も車中泊を続けている人たちがいる。一日でも早く、より多くのハウスを届けたい」と意気込む=21日(小型無人機で撮影) 〔写真説明〕断水が続く熊本県宇城市の鎌田歯科クリニックでは、治療に欠かせない水をペットボトルからの給水でしのいでいる。水は近隣の給水所でくんだものや寄付されたミネラルウオーターを使用。地震直後、メンテナンス業者に頼んで治療台の約半数を現在の仕様に変更してもらった。院長の鎌田政彦さん(44、写真右)は「地震で入れ歯をなくした人や、緊張による食い縛りで痛みが出た人も来院する。少しでもストレスを軽減できたら」と話した=17日

2026年08月27日 07時08分


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