「MMX」、20日打ち上げ=火星衛星から試料回収狙う―世界初、起源や生命探る・JAXA



宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日未明、火星の衛星「フォボス」から砂を持ち帰る探査機「MMX」を打ち上げる。火星の衛星への着陸や試料採取、火星圏への往復航行は成功すればいずれも世界初。30億年以上昔には海があり、生命がいた可能性もある火星やその衛星の起源と歴史の解明につながる科学的成果のほか、将来の有人火星探査への貢献も期待される。

火星に二つある衛星のうち、内側(約6000キロ)を回るフォボスは直径20~30キロ。有機物や水を含み、探査機「はやぶさ2」が砂を持ち帰った小惑星「りゅうぐう」(直径約900メートル)と組成は似ているとされる。

その起源は、小惑星が火星の重力に捕まった「捕獲説」と、原始火星に他の天体が衝突して破片が集積した「衝突説」が有力だが、はっきりしない。接近観測や試料の分析で決着がつけば、地球や火星に水や有機物が供給された経緯の解明にもつながるという。

MMXは高さ約5.3メートル、太陽電池を広げた幅は約9メートル。打ち上げ時の重さは約4.5トンで、日本の探査機史上最大。火星周回軌道への投入を担う「往路」、フォボスの観測や着陸、試料採取を行う「探査」、試料カプセルを備え、地球まで航行する「復路」の三つのモジュールからなり、役目を終えた順に切り離して任務を続ける。

約1年後に火星周回軌道に投入され、フォボスに接近。地表の詳細観測やフランス、ドイツと共同開発した小型探査ロボットを投下するなどして科学的な価値や安全に着陸できる場所を見極めた後、2029年に2回の着陸・試料採取に挑む。フォボス表面には約2時間半とどまり、筒のような装置を打ち込んで地下の物質を採取する。

一連の探査を終えた後は第2衛星「ダイモス」(直径11~15キロ)の接近観測も実施。地球帰還は31年の予定で、はやぶさ2同様、試料カプセルを投下してオーストラリアの砂漠地帯で回収する計画だ。

責任者を務めるJAXAの川勝康弘プロジェクトマネジャーは9月の記者会見で、「準備は万全な状態で進んでおり、打ち上げが待ち遠しい」と期待を口にした。

〔写真説明〕20日に打ち上げられる火星衛星探査機「MMX」。打ち上げ時は着陸用の脚を上にした「逆さま」の状態でロケット上段に収納される(JAXA提供) 〔写真説明〕火星周回軌道に投入された探査機「MMX」の想像図(JAXA提供)

2026年10月18日 07時03分


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