
レスリングの全日本選手権(18日開幕、東京・駒沢体育館)で19歳のホープ、尾西桜(日体大)が激戦区の女子62キロ級に出場する。2024年パリ五輪と今年の世界選手権を制した元木咲良(育英大助手)、パリ五輪68キロ級銅メダルの尾崎野乃香(慶大)らに挑む。「どんどんはい上がって新星として頑張る」と意気込みをはきはきと語る。
福岡県出身。昨年、埼玉栄高から日体大に進学した。2学年上のパリ五輪53キロ級女王、藤波朱理(日体大)らと日々練習し、9月の世界選手権で初出場ながら非五輪階級の59キロ級を制した。その後、28年ロサンゼルス五輪に向けて階級を上げた。
62キロ級での初戦となった国民スポーツ大会。決勝で今年のアジア選手権57キロ級覇者の屶網さら(KeePer技研)に敗れ、「競技をやっていて初めての悔しさを味わった」。以来、より突き詰めて練習するようになった。「(ライバルを)全員研究している」と言い切る。
最大の壁となりそうな元木は尾西にとって高校の先輩で、名前の読みも同じ。強く意識している存在だ。10月の東日本大学女子リーグ戦では「特長が似ている」という元木の妹、日陽里(育英大)に快勝。「姉(咲良)に怖さを見せつけたいと思っていたので、全日本選手権につながる。私が本物の桜として花を咲かせたい」と笑った。
持ち味は攻撃的なレスリング。日本協会女子強化委員長の金浜良氏は「元木と尾崎をどれくらい苦しめるのか楽しみ」と期待した。
【時事通信社】
〔写真説明〕世界選手権女子59キロ級決勝で相手を攻める尾西桜(上)=9月16日、クロアチア・ザグレブ(EPA時事)
2025年12月10日 07時08分