
7日にスペインで行われたバレンシア・マラソンの男子で、大迫傑(リーニン)が2時間4分55秒で4位に入り、鈴木健吾が2021年に出した日本記録を1秒塗り替えた。自身3度目の日本記録更新。28年ロサンゼルス五輪代表選考会として27年秋に予定されているマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得し、3大会連続の五輪マラソン代表候補として名乗りを上げた。
34歳が世界屈指の高速レースで健在ぶりを示した。25~30キロは直前の5キロより20秒速い14分35秒。40キロ以降を6分19秒で駆け抜ける猛スパートを見せ、執念で日本記録を奪還した。
中間点を1時間2分41秒で通過し、後半は前半よりも27秒速い「ネガティブスプリット」。自身のSNSで「たった1秒だけど、僕らにはとんでもなくデカイ1秒だった」と喜びをつづった。
21年東京五輪で6位に入賞後、一度は現役を退いたが翌22年にレースに復帰した。昨夏のパリ五輪は13位。そのレース直後、37歳で迎えるロス五輪出場にも意欲を示していた。今年3月の東京マラソンは「シンプルに休みが必要だった」として出場を辞退。心身ともにフレッシュな状態に回復させ、ケニア合宿を経て快走につなげた。
昨年から拠点を米コロラド州に移した。所属先も中国のスポーツ用品メーカーに変更。年齢を重ねても挑戦を続ける姿勢は変わらず、後進に影響を与えている。
【時事通信社】
〔写真説明〕大迫傑選手
2025年12月10日 10時41分