
今季のプロ野球パ・リーグはソフトバンクが2連覇を遂げたが、日本ハムもペナントレースを熱く盛り上げた。開幕から好発進して勢いに乗り、シーズンを通してAクラスをキープ。9年ぶりに80勝以上を挙げて2年連続の2位となった。就任から4年、新庄剛志監督は若手主体の魅力的なチームをつくり上げた。
今季も監督は2軍で結果を残している選手を積極的に1軍に呼び、出場機会を与えた。首位ターンして迎えた7月26日の後半戦初戦の先発には、球団幹部に直訴した上でドラフト1位新人の柴田獅子を起用した。3回を無安打無失点。約3万5000人の視線が集まるマウンドで、19歳は初舞台を楽しんでいた。
球界屈指の層の厚さを誇るソフトバンク。レギュラーシーズン、そして最終戦までもつれたクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでも、日本ハムは王者を追い詰めながらあと一歩及ばなかった。だが、着実にその差は縮まりつつある。
10月5日、新庄監督の来季続投が発表された。翌日に報道陣の前に現れた指揮官はリーグ優勝への思いを語り、「今はちょっとプレッシャーになっている」と話した。頂点を狙えるチームとなり、ファンの期待は大きく膨らんでいる。監督の「優勝なんか一切目指さない」との発言が注目を集めた就任1年目から、隔世の感がある。
エースの伊藤大海投手は「ボスには優勝しか似合わない。必ず優勝して胴上げしたい」。最後にリーグ制覇と日本一を達成したのは2016年。ナインは来季、10年ぶりに北海道に歓喜の秋を届けるつもりだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕ファン感謝イベントで観客に手を振る日本ハムの新庄剛志監督=11月22日、エスコンフィールド北海道
〔写真説明〕ソフトバンク戦の8回途中で降板する日本ハム2番手の柴田獅子(手前右)。同左は柴田をねぎらう新庄剛志監督=8月23日、エスコンフィールド北海道
2025年12月16日 07時04分