
名うての戦術家がJリーグに戻ってきた。J1名古屋の新監督に、浦和などを率いた旧ユーゴスラビア出身のミハイロ・ペトロビッチ氏(68)が就任。託されたのは、今季16位と低迷したチームの再建。「歴史のある大きなクラブ。いい仕事をして、いいチームをつくり上げたい」と腕まくりする。
「ミシャ」の愛称と、連動性の高い超攻撃的なサッカーで知られる。人もボールも動き、陣形も流動的に変化。「積極的で活力あるスタイルを貫きたい」と意気込む。秋春制移行に伴う来年2~6月の特別大会はJ2降格はなく、複雑な戦術を浸透させる時間は十分。「勝利を求めながら原則を落とし込む」と思い描く。
知見も実績もある。2006年途中から11年まで広島を指揮し、12年からのリーグ連覇の礎を築いた。J1で通算594試合の指揮は歴代2位、通算247勝は同3位。時に哲学的なほどに理論深い一方、「チームのために働ける選手が大事。強くなれば個々も成長する」との信条を持つ。
札幌監督を24年シーズン限りで退任。今年は体を休めていたが「情熱が衰えることはなかった。自分の中のサッカーに終わりはない」と心は燃えた。第二の母国と表現する日本で、「自分の目標でもある優勝へ突き進みたい」。自身初のJ1タイトルと理想を追い求める旅は、まだ終わらない。
【時事通信社】
〔写真説明〕J1名古屋の監督に就任が決まり、記者会見するペトロビッチ氏=18日、愛知県豊田市
2025年12月24日 14時31分