「AON」として時代彩る=青木、中嶋両氏も追悼―尾崎将司さん死去



男子プロゴルフで「ジャンボ」と呼ばれ絶大な人気を集めた尾崎将司さんが23日に78歳で死去した。青木功さん(83)は「また一人、大切な戦友を失い寂しい気持ちでいっぱい」と悼み、中嶋常幸さん(71)は「僕が頑張ってこられたのもジャンボのおかげ。残念でならない」。それぞれの頭文字を取った「AON」と称され、昭和後期のゴルフ界を彩った盟友が別れを惜しんだ。

1970~80年代はほぼ全て、3人で賞金王を分け合った。88年の日本オープン選手権は語り草になっている数多くの名勝負の一つ。三つどもえの優勝争いとなった最終日、17番でロングパットを沈めた尾崎さんが抜け出し、この大会で14年ぶりの優勝を手にした。

日本タイトルの獲得回数も、AONが上位を占めている。飛び抜けた飛距離で魅了した尾崎さんがツアー制施行前を含めて通算19勝を挙げ、青木さんは13勝。12勝で続く中嶋さんは「一緒に戦った日々を思い出す。その一つ一つが宝物」と思いをはせた。

2012年の日本オープンでは大ベテランとなったAONが同組でラウンドする光景が見られた。初日で青木さんに1打及ばない9オーバーとなった尾崎さんは、冗談交じりに「俺は、あんたに負けたのが一番腹が立つ」。互いの関係性の深さをうかがわせた。

「長く、つらい闘病生活お疲れさま」と青木さん。結腸がんと診断されたのは1年ほど前で、公表はせず自宅療養を続けていたという。谷原秀人選手会長は「最後の最後まで美学を貫く姿にも、真のプロゴルファー像を見せていただいた」。病に伏しても弱さを見せることはなかった。

【時事通信社】 〔写真説明〕日本オープン選手権で同組でのラウンド前、撮影に応じる(左から)中嶋常幸、青木功、尾崎将司=2012年10月11日、沖縄・那覇GC

2025年12月24日 18時23分


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