
ハンディを背負いながらも夢に向かって努力を続ける。女子プロサッカーのWEリーグでプレーする笹井一愛(ノジマ神奈川相模原)。「なでしこジャパンになって、世界一を経験したい」とボールを追っている。
横浜市出身の21歳。先天性の難聴を抱え、普段は相手の口の動きなどで内容を読み取り、コミュニケーションを取っている。サッカーとの出会いは小学1年だった2011年。日本代表(なでしこジャパン)がW杯で優勝した姿を見て、地元の少年団に入った。中学からはノジマ神奈川相模原の下部組織へ。ドリブル突破力を武器にU20(20歳以下)日本代表入り。24年U20W杯では1次リーグで3ゴールを挙げるなど、日本の準優勝に貢献した。
世代を代表するストライカーに成長した一方で、プレーの妨げになることもある。試合中に監督や仲間が逆サイドなどから発する指示が聞こえない。プレーが切れたタイミングで近くにいるチームメートに内容を確認するなど工夫しながら競技に取り組んでいる。
苦労がありながらもサッカーが大好きだという思いが自身の支え。ゴールを決めて、後ろを振り返ったときの景色が一番好きだと話す。「その瞬間のためにサッカーをやっている」と屈託なく笑う。
笹井の精神力の強さに舌を巻くのが、日本男子代表の森保一監督だ。Jリーグ広島時代の同僚の橋渡しによって、昨年12月に相模原市で開催された講演会で笹井と対談。「難しい中でも力強く進んでいる。芯がある」と感心する。
見据えるのは、幼い頃に憧れた舞台。「勇気を与えられる存在になりたい」。次は自分が同じ境遇の人たちに、輝く姿を見せる。
【時事通信社】
〔写真説明〕U20(20歳以下)女子ワールドカップ(W杯)、1次リーグのガーナ戦でゴールを決めて喜ぶ笹井=2024年9月、ボゴタ(EPA時事)
〔写真説明〕講演会で対談するサッカー日本男子代表の森保一監督(左)とノジマ神奈川相模原の笹井一愛=2025年12月、相模原市(相模原市提供)
2026年01月20日 15時30分