「玉虫色」政策、公明へ配慮鮮明=立民転換、くすぶる火種―中道新党



19日に発表された「中道改革連合」の綱領と基本政策は、長年与党だった公明党の主張に立憲民主党が歩み寄りつつ曖昧さを残す内容となった。新党結成を奇貨とし、現実的な立場へ転換を図ることで政権担当能力を示そうとする狙いだ。ただ、党内議論を欠いたまま「合意ありき」で突っ走った面は否めず、玉虫色の決着は今後の火種になりそうだ。

「分断や対立をあおる政治に対し、共生と包摂という中道の考えを盛り込んだ」。綱領発表に臨んだ立民の安住淳幹事長は党の方向性をこう説明。衆院選へ「首相の目指す社会と違うものを示す」と対決ムードを強めた。念頭には外国人政策見直しなど保守に寄った高市政権の姿がある。

15日の新党結成合意後、衆院解散が1週間余りに迫る中で両党の協議の土台になったのは、政権担当の経験で一日の長がある公明の草案だ。

綱領と基本政策に共通して据えた5本柱は、野党に転じた公明が昨年11月に公表した内容をほぼ踏襲。立民が掲げてきた「原発ゼロ」「未来志向の憲法議論」はそれぞれ「将来的に原発へ依存しない社会」「憲法改正論議の深化」と公明寄りにシフトした。食料品の消費税率ゼロも、立民が求めた時限的措置の文言が入らなかった。

最後まで残った論点は集団的自衛権行使の是非だった。

「『集団的自衛権』だけは盛り込まないでほしい」。立民幹部は公明側に繰り返し求めた。脳裏に点滅したのは2017年に「排除の論理」を振りかざして大量の脱落者を出した「希望の党」結党時の騒動だ。公明幹部も「力業ではやらない」と配慮。「安全保障関連法が定める存立危機事態での自衛権行使は合憲」とするにとどめた。

昨年の参院選で伸び悩んだ立民内には「リベラルの立ち位置を転換しなければ政権は取れない」との焦りもあった。今回の急旋回に目立った反発はなく、「選挙前でなければできなかった」(若手)との声が上がる。

もっとも、路線対立再燃の芽はある。今回、新党に移るのは衆院議員のみ。立民内で比較的リベラル色の濃い参院議員は当面残留する。地方議員も同様だ。本庄知史政調会長は集団的自衛権行使を容認したのか記者団に詰められ、「紙に書いてある通りだ」といらだちをあらわにした。

野田佳彦代表は19日、記者団に「整合性を持ちながらどう説明できるか必死に編み出した」と苦しい胸の内を語った。だが、これまで立民と選挙協力を重ねてきた共産党の小池晃書記局長は記者会見で「論理的に破綻している」と批判。「自公政治の継続に他ならない」と断じた。

【時事通信社】 〔写真説明〕新党「中道改革連合」の綱領を発表する立憲民主党の安住淳幹事長(左)と公明党の西田実仁幹事長=19日、国会内

2026年01月20日 07時02分


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