
日本女子最多の7度目の冬季五輪出場となるスノーボード女子アルペンの竹内智香(42)=広島ガス=。8日に迎えるパラレル大回転を現役ラストレースにすると宣言している。30歳で臨んだ2014年ソチ五輪の同種目で日本勢初の表彰台となる銀メダル。本格的なフィジカルトレーニングを始めたのは意外にもその後で、体幹を強化するなどして40代まで駆け抜けた。
現在の竹内のトレーニングを指導するのが、米大リーグ、メッツの千賀滉大投手も担当する荒井秀幸さん(40)。初めて竹内と会った時は面食らった。「腕立て伏せが一回もできなかった。技術だけで生きている人。いわゆる天才だと思った」
雪上を高速で滑る技術は世界トップクラスだったものの、決勝トーナメントを勝ち抜く体力はもう一つ。正しい体の使い方も知らなかった。「(むしろ)伸びしろしかないと思った」と荒井さん。週に4、5回ジムに通って集中的に強化。「今ではトレーニング愛好家と言えるほど」と感心する。
荒井さんによると、人間は運動前に頭の中で動きのイメージを描く。竹内はその感覚が鋭く、細かくポイントを指導する必要がなかった。トレーニング内容を滑走に落とし込むのも上手で、指導中は驚きの連続だった。
竹内が世界を舞台に戦うようになってから四半世紀が経過した。引退を決断した一因となった腰痛など、年齢による衰えにはあらがえないが、荒井さんは「あのタイミングで(トレーニングを)始めていなかったら、もっとけがをしていたと思う」。室内で自転車をこいで持久力を計測するテストでは、40歳を超えてもベストを更新する竹内。キャリアのピークでの新たな取り組みが、長い現役生活を支えた。
【時事通信社】
〔写真説明〕世界選手権のパラレル大回転で滑走する竹内智香=2025年3月20日、スイス・サンモリッツ(EPA時事)
2026年02月07日 18時15分