
ミラノ・コルティナ・パラリンピックで奮闘しているノルディックスキー距離の日本勢を、心強いスタッフが支えている。スキー板にワックスを塗る作業を担当する佐藤勇治さんは、「ワックスマン」として約30年のベテラン。「選手が安心してスタートラインに立てるようにするのが自分の仕事」と話す。
大会に持ち込むワックスは100種類以上。天候や雪の温度、コースの起伏を見極め、各選手に合った板に仕上げる。障害の種類によっては、左右の板に別のワックスを施すことも。「技術も体力もメンタル面も考えた上で、それぞれの板に塗っている」。五輪の日本代表スタッフを経て2014年秋からパラ代表チームに加わり、3度目の大舞台。選手からの信頼は絶大だ。
レース前には必ず選手と同じコースを滑り、感触を話し合ってからワックスを決めるのが信条。胸の内には今も悔やむ失敗がある。数年前、普段は自分で行う雪面の確認を別のスタッフに頼んだ。選んだワックスが合わず、国際大会で首位争いをしていた選手は失速。スキー板を投げて悔しがる姿を目の当たりにし、「雪は自分で見るしかない、と気付かされた」と振り返る。
今大会は気温が大幅に上がる日もあり、雪質の読みは大きなカギを握る。「状況が難しくなるほど、他国はワックス選びを悩む。日本にとってはチャンス」。厳しい戦いが続く日本勢を、最後まで後押しする。
【時事通信社】
〔写真説明〕スキー板を仕上げるワックスマンの佐藤勇治さん(右)=2月7日、長野・白馬クロスカントリー競技場
〔写真説明〕ワックスマンとしてノルディックスキー距離チームを支える佐藤勇治さん=2月7日、長野・白馬クロスカントリー競技場
2026年03月12日 14時33分