福島の産業団地、企業誘致に明暗=自治体の支援策やアクセスが左右―倒産や撤退リスクも・東日本大震災15年



東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後、福島県で整備された産業団地は沿岸15市町村に21カ所あり、企業誘致や雇用創出を通じた地域活性化に貢献している。ただ、魅力ある支援策で多くのスタートアップ(新興企業)誘致に成功した団地がある一方、企業が撤退したり、工場が放棄されたまま残ったりする所もあり、明暗が分かれている。

国と県は原発事故後、避難指示解除区域を中心に、工場の新・増設費用を最大5分の4補助するなどの手厚い優遇策を設け、産業基盤再生に力を入れてきた。

2018年、南相馬市と浪江町に国内最大規模のドローン・ロボットの開発・試験場「福島ロボットテストフィールド(RTF)」が整備されると、隣接する「復興工業団地」(南相馬市)には、ドローンや航空宇宙関連の新興企業10社以上が次々と進出した。

開発や試験に関する規制緩和に加え、新興企業の資金繰り支援策側なども誘致を後押しした。南相馬市は22年までに金融機関やベンチャーキャピタル35社と協定を結び、融資などを仲介。大規模試験時の規制当局との調整や住民説明も担うなどしており、関係者からは「理解があり、スピード感のある対応をしてくれる」と好評だ。

一方、17年に整備された「田ノ入工業団地」(同県川内村)は企業誘致が進まず、7区画ある工業用地のうち、利用されているのは2区画のみだ。残りの区画には、23年に経営破綻した企業の工場や、建設途中で放棄された別の会社の工場の基礎が残ったままになっている。遠藤雄幸村長は「優遇制度で被災地に関心を寄せるのは経営体力が弱い企業が中心。倒産や撤退のリスクは避けがたい」と指摘する。

周辺自治体との誘致競争の中で、都市部からのアクセスが悪く、ほかと差別化できる支援策の財源捻出も難しいという同村だが、静観しているわけではない。放棄された工場の設備を村で取得し、進出企業に提供することなどを検討しており、遠藤氏は「必ず利活用につなげたい」と力を込める。

【時事通信社】 〔写真説明〕福島県南相馬市にある復興工業団地=2月18日、同市 〔写真説明〕工場の基礎部分が放置されたままの田ノ入工業団地の工場用地(左奥)=2月18日、福島県川内村 〔写真説明〕放棄された田ノ入工業団地の工場=2月18日、福島県川内村

2026年03月11日 16時01分


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