
【ワシントン時事】米通商代表部(USTR)は11日、新たな関税導入に向け、不公正な貿易慣行に対処するため通商法301条に基づく調査を開始した。巨額の対米貿易黒字や補助金による過剰生産を問題視し、日本や中国、欧州連合(EU)などを対象とした。連邦最高裁が無効と判断した「相互関税」の代わりに2月に発動した全世界一律10%関税は150日間有効で、期限が切れるまでに調査をまとめる。
トランプ政権は相互関税などを停止する前の水準に税率を戻したい考えだ。日本は赤沢亮正経済産業相が今月、ラトニック商務長官と会談し、新たな関税の対象から日本を外すよう求めていたが、これに反して日本は調査対象に入った。
日本政府は昨年の日米合意よりも不利にならないよう申し入れたが、グリアUSTR代表は記者団に「(各国・地域との)合意では通商法301条は言及されていない」と強調。一方で「ディール(交渉)を常に想定している」と述べ、相手国の対応次第で関税を上乗せせず、現水準から維持される可能性にも触れた。
USTRが今回の調査対象としたのは計16カ国・地域。日中EUのほか、韓国、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、メキシコ、インドなどが含まれる。グリア氏は中国に対し既に導入している301条関税を引き上げない意向を示していた経緯があり、中国の反発も予想される。
【時事通信社】
〔写真説明〕米通商代表部(USTR)のグリア代表=2025年12月、ワシントン(EPA時事)
2026年03月12日 10時14分