
粗削りだった剛腕がすっかりたくましくなった。阪神の2年目右腕、工藤泰成投手が救援陣で重要な役割を担っている。36試合の登板で防御率1.16。制球の安定が飛躍につながり、「自信を持って投げられている」と胸を張る。
四国アイランドリーグplusの徳島から育成ドラフト1位で2025年に入団。鍛え上げられた肉体から放たれる160キロ前後の直球を武器に、同年3月に支配下選手登録を勝ち取った。勢いのまま開幕1軍入りも果たしたが、制球面で不安を露呈。18試合の登板に終わった。
いかにして課題を克服したのか。最大の要因は「技術面より精神面」。昨季は投球が乱れることへの恐怖心があった。ストライクが入らなかったら、四球を出したら…。今季は変化球の質が向上。カットボールで楽にストライクを稼げるようになり、マウンドで冷静さを保てるようになった。「打者をしっかり観察しながら投げられている」と手応えを口にする。
緊迫した場面でも堂々たる姿を貫く。7月11日のヤクルト戦、1―0で迎えた八回2死満塁で自己最速を更新する163キロをマーク。「ピンチになっても全力で腕を振って、抑える自信がある」。精神面の成長を示した象徴的な場面だった。
藤川監督が台頭を待っていた「右の中継ぎ投手」。工藤は起用に応え続けた。今月2日にはプロ初セーブ。「これからもゼロで抑えられるように頑張る」。リーグ連覇へのカギを握るブルペン陣の中に、魅力的な24歳がいる。(記録は10日現在)。
【時事通信社】
〔写真説明〕DeNA戦の7回、力投する阪神2番手の工藤=7月22日、甲子園
2026年08月11日 07時08分