仏極右、大統領選は難航必至=「最有力」ルペン氏が出馬禁止



【パリ時事】フランス下院第1党の極右野党・国民連合(RN)を実質的に率いるマリーヌ・ルペン前党首(56)が3月31日、公金横領事件の判決で2027年の次期大統領選への立候補禁止を宣告された。「最有力候補」と自負するルペン氏は出馬を諦めず、控訴審に望みをつなぐ。だが、逆転判決を勝ち取れる保証はなく、2年後の選挙に向けた党の態勢づくりは難航必至だ。

◇「最後まで闘う」

「何百万ものフランス人が私を信じている。彼らのため、最後まで闘い抜く」。仏政界に衝撃が走った判決言い渡しの数時間後、ルペン氏は民放テレビTF1で訴えた。司法の狙いが「極右大統領」の誕生阻止だと主張。出馬を禁じた判決を「法の支配の侵害」とこき下ろした。

判決によると、RNは旧党名・国民戦線(FN)時代の04~16年、党職員らを欧州議会議員秘書と偽り、欧州連合(EU)から給与として計約440万ユーロ(約7億1000万円)を不正に受給した。FN党首を務めていたルペン氏は、5年間の被選挙権停止と判決確定前の仮執行、禁錮4年、罰金10万ユーロ(約1600万円)を科された。

◇20代党首が人気

ルペン氏は過去3回連続で大統領選に挑戦し、すべて敗北。次回27年が最後のチャンスと示唆してきた。一方、支持者の間ではバルデラ党首(29)の人気がうなぎ登りだ。SNSを駆使したイメージ戦略で、「極右アレルギー」の少ない若い世代に浸透。3月中旬の世論調査では支持率34%と、ルペン氏の31%を小差ながら上回った。

それでもRNは、ルペン氏の父ジャンマリ・ルペン氏=25年1月死去=が初代党首を務めたFN時代から、親子2代、40年以上にわたり「ルペンの党」として知られてきた。「ルペン氏に逆らえる者は党内にいない」(仏メディア)とされ、当面は同氏を大統領候補として支えつつ、控訴審の行方次第でバルデラ氏を擁立する変則的な選挙戦の構えになりそうだ。

◇現職退任で混戦か

欧州では近年、極右勢力が台頭。主要国フランスでルペン氏が大統領の座に就けるかは重大な関心事で、各国の極右政治家らは今回の判決を「重い量刑に驚いた」と批判したり、「友よ、全速前進だ」とルペン氏にエールを送ったりした。

現在2期目のマクロン大統領(47)は、連続3選を禁じた憲法の規定により27年で退任するため、大統領選は混戦が予想される。「反極右票」の受け皿として本命視される中道のフィリップ元首相(54)は、24年9月に出馬表明済み。03年の国連演説で米国の対イラク開戦方針に強く反対したことで知られるドビルパン元首相(71)も、意欲を示している。

【時事通信社】 〔写真説明〕3月31日、パリの裁判所に到着したフランスの極右野党・国民連合(RN)のルペン前党首(AFP時事)

2025年04月02日 12時38分


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