【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は4日、パレスチナ自治区ガザでの即時停戦や人道支援の制限解除を求める決議案を否決した。全15理事国のうち14カ国が賛成したが、米国が「停戦に向けた外交努力を損なう」として拒否権を行使した。1月に発足した第2次トランプ政権が安保理で拒否権を行使するのは初めて。
決議案は、ガザの住民がイスラエルによる物資搬入の制限で飢餓の危険に直面する中、事態打開のため非常任理事国10カ国が共同で提案した。全当事者に「即時かつ無条件での恒久的な停戦」を要求し、イスラム組織ハマスには人質の解放を呼び掛けた。イスラエルに対しては名指しを避けつつ、安全で妨害されることのない物資配給の実現を求めた。
【時事通信社】
〔写真説明〕4日、ニューヨークの国連本部で開かれた安全保障理事会で、ガザ決議案に拒否権を行使する米国のシェイ国連臨時代理大使(中央)
2025年06月05日 16時08分