サントリーホールディングス(HD)は2日、新浪剛史会長が1日付で辞任したと発表した。同社によると、新浪氏から自身が購入したサプリメントに関して警察の捜査を受けたと報告があった。同氏は適法との認識の下で購入したと説明したが、会社としては「サプリに関する認識を欠いた新浪氏の行為は会長という要職に堪えない」と判断した。違法かどうかは捜査中という。
同社の鳥井信宏社長は東京都内で記者会見し「皆さまにご心配、ご迷惑をおかけすることを心よりおわびする」と陳謝した。新浪氏は経済同友会代表幹事や経済財政諮問会議の民間議員などを務めており、こうした活動への影響は避けられない。同氏が代表幹事を続けるかについて、鳥井氏は「答える立場にない」と述べるにとどめた。
新浪氏は8月22日に、警察の捜査を受けたと同社に報告した上で、翌日から米国出張に出掛け、9月1日に帰国した。この間、新浪氏が米国からオンラインで参加して取締役会などで協議を重ね、8月28日には同氏以外の全取締役らが出席した会合で辞任を求める方針で全員が一致した。新浪氏は鳥井氏と協議の上、9月1日に「一身上の理由」として辞表を提出し、受理された。
同社は会見で、「会長の仕事を続けることができなくなったことは残念に思っている」との新浪氏のコメントを公表した。
捜査関係者によると、新浪氏が大麻の有害成分が含まれるサプリを米国から購入したとの疑いが浮上し、福岡県警が新浪氏の自宅を家宅捜索していた。同社は事案の詳細については「捜査中」として明らかにしていない。
【時事通信社】
〔写真説明〕サントリーホールディングスの新浪剛史氏の会長辞任を受け、記者会見の冒頭で頭を下げる同社の鳥井信宏社長(左)=2日午後、東京都港区
2025年09月03日 12時41分