【シリコンバレー時事】米グーグルが検索エンジン市場における反トラスト法(独占禁止法)違反を認定された訴訟で、首都ワシントンの連邦地裁は2日、同社のウェブブラウザー(閲覧ソフト)「クローム」の売却を求めた司法省の提案を退けた。独占への是正措置として、競合他社へのデータの提供や、囲い込みを生むような契約の禁止を命じた。
巨大IT企業による市場独占の弊害を正し、人工知能(AI)を用いた新たな検索サービスや新興企業などが成長できる競争環境を整えることを狙う。同社のスマートフォン用基本ソフト(OS)「アンドロイド」の売却も同様に不要と判断した。
検索事業は親会社アルファベットの売上高の約6割を稼ぎ出す柱。クロームはパソコンやスマホから検索エンジンを利用する窓口で、グーグルの検索エコシステム(生態系)の根幹だ。同社は今回の決定で事実上の「事業解体」は当面避けられた形で、アルファベットの株価は同日の時間外取引で上昇した。
訴訟は、2020年10月に司法省などがグーグルを相手取り提起。地裁は24年8月、同社が検索市場で競合他社の参入を阻害しているなどとし、反トラスト法違反を認定していた。
【時事通信社】
〔写真説明〕携帯電話の画面に表示された米グーグルのウェブブラウザー(閲覧ソフト)「クローム」のロゴ=2024年11月、米テキサス州オースティン(AFP時事)
2025年09月04日 07時22分