立民・野田氏、孤立深める=「刷新」迫られ、対話路線も暗雲



立憲民主党の野田佳彦代表が党運営を巡り、孤立感を深めている。自身と距離を置く党内グループから突き上げを受け、執行部人事への着手を表明したものの、挙党体制を築くのは容易ではない。石破政権と政策面での一致点を見いだす「対話路線」も、自民党内の混乱で協議は進まず、暗雲が立ち込めている。

立民は3日、新体制発足に向けた両院議員総会を11日に開くと党所属国会議員に通知した。野田氏は3日、人事に向けた調整を進めたとみられる。

野田氏は2日の常任幹事会で「党勢拡大に向け、一丸となった体制をつくりたい」と結束を呼び掛けた。ただ、7月の参院選で改選22議席の維持にとどまったことへの党内の不満は根深い。距離を置く議員グループは矛先を野田氏や側近に向けている。

「参院議員全員を敵に回した」。党内最大グループ「サンクチュアリ」の幹部は、参院選比例代表で当選した蓮舫氏が党内の会合で得票数を誇るかのような発言をしたとして、怒りをぶちまけた。比例では同グループ所属の現職が落選した。この幹部は「野田氏には代わってもらわないといけない」と「野田降ろし」を訴えた。

党内グループ「一清会」を率いる小沢一郎衆院議員も参院選敗北を受けた「代表の責任」を重視する。馬淵澄夫元国土交通相と階猛衆院議員らは新たな党内グループ「幹成会」を結成。関係者は「背景には執行部への不満がある」と語った。

執行部人事では小川淳也幹事長を交代させるかが焦点で、新たな幹事長候補にはベテランの安住淳衆院予算委員長らの名前が挙がっている。中堅・若手の党内グループ「直諫の会」からは、世代交代を進める観点から「小川氏を代えてはならない」(幹部)との声もあり、人事によっては党内がさらに不安定になりかねない。

野田氏が活路を見いだそうとした石破茂首相との物価高対策や企業・団体献金見直しを巡る「対話路線」も、自民党内の抗争が影響し、暗礁に乗り上げている。野田氏は「そろそろどうなっているか確認したい」と述べたが、首相は森山裕幹事長の辞意表明で、政権継続の瀬戸際にある。立民関係者は「自民党もわが党も危機的状況だ」と頭を抱えている。

【時事通信社】 〔写真説明〕立憲民主党の臨時常任幹事会であいさつする野田佳彦代表(前列左から2人目)=8月26日、国会内

2025年09月04日 12時30分


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