与野党から12日、臨時国会での首相指名選挙を巡る発言が相次いだ。立憲民主党の野田佳彦代表は野党候補の一本化に向け、国民民主党と日本維新の会に党首会談を呼び掛ける考えを表明した。自民党の高市早苗総裁は自身の首相選出を目指し対応の検討を続けた。公明党の斉藤鉄夫代表は決選投票での野党候補支持を否定した。
野田氏は横浜市内で記者団に「維新、国民を足すと(議席数で)自民党を超える。それを目指し協議したい」と強調。フジテレビの番組で、国民の玉木雄一郎代表や維新国会議員団トップの藤田文武共同代表が野党統一候補の選択肢になり得るとして、指名選挙での一本化を訴えた。
野田氏は「のりしろを持って話し合いたい。玉木氏ものりしろを持って協議に応じてほしい」と柔軟な対応を促した。これに対し玉木氏は石川県七尾市で記者団に「仮に私が指名対象になるなら、安全保障政策でまとまることが不可欠だ」と語り、立民との連携に否定的な姿勢を崩さなかった。原発政策での一致が必要とも指摘した。
共産党の小池晃書記局長は東京都内で街頭演説し、決選投票になった場合の対応について「野党第1党から出すのが常道だ」との認識を示した。
一方、自民は14日に両院議員懇談会を開き、高市氏が党所属議員に公明の連立離脱について説明する。高市氏は11日に続き、東京・赤坂の衆院議員宿舎で対応を検討した。自身のX(旧ツイッター)に党内人事を進めているとも投稿。「物価高対策など重要な党内議論を先にスタートさせたい一心だ」と強調した。
公明の斉藤鉄夫代表は12日のNHK番組で、決選投票では野党党首に票を投じない意向を重ねて表明した。高市氏に投票するかについては「その時の政治状況を見て、党内でよく話し合いたい」と語るにとどめた。
【時事通信社】
〔写真説明〕記者団の取材に応じる立憲民主党の野田佳彦代表=12日午後、横浜市のJR鶴見駅前
〔写真説明〕自公党首会談を終えた公明党の斉藤鉄夫代表(右)=10日、国会内
〔写真説明〕自公党首会談を終えた自民党の高市早苗総裁=10日、国会内
2025年10月12日 17時57分