
兵庫県警の現職署長らが、県警業務を委託する業者から酒類など金品を受け取ったなどとして処分された問題で、業者の代表の男性(59)が25日までに時事通信の取材に応じた。業務受注や県警幹部と親密になった経緯を説明し、「酒を提供したことはあったが、私へのメリットはなくただの厚意」と話した。
警察当局は24日、不適切な交際があったとして、県西部の警察署長(60)を訓戒、村井紀之前県警本部長(58)ら幹部数人を注意などの処分にした。
男性によると、署長は過去に総務部で県議会の担当をしており、ある県議に紹介され、親密に付き合うようになった。以降、男性が経営する神戸市内の焼き肉店が県警幹部らの行きつけとなった。村井氏も会食に参加していたが、男性は「面識はない」と話した。警察当局などによると、同氏も面識がないと主張。県警の利害関係者という認識がなく、部下に誘われるまま、会食に参加したとみられる。
男性が代表を務める法人は、2024年5月に県警本部の食堂の運営業務を受注した。入札の公募前、県警の総務部長から「『食堂入札をやるか?』と言われた。他の業者にも言ってるはず。赤字続きでもうけになっていない」と明かした。22年に始めた違法駐車車両の確認業務は、県警OBから入札の話を持ち掛けられて受注したが「毎月40万円の赤字」という。
男性は「県警業務を赤字でも続けてきたのは日々治安を守ってくれている警察への恩返し。接待や癒着は一切ない」と話した。
また、男性を巡っては、1月に死亡した竹内英明元県議=当時(50)=への名誉毀損(きそん)罪で立花孝志被告(58)が起訴された事件で、竹内県議を批判する文書が立花被告に渡った過程に関わっているとの疑惑がSNSや知事会見で取り沙汰されてきた。男性は「自分はあくまで(文書を渡す)場所を提供しただけで、文書作成や(立花被告に)渡す行為には関わっていない」と主張した。
【時事通信社】
〔写真説明〕兵庫県警本部=神戸市中央区
2025年12月26日 08時09分