「強い経済」実現へ成長投資＝賃上げ支援や教育無償化も―来年度予算案
２０２６年度予算案は高市政権が目指す「強い経済」の実現に向け、危機管理・成長投資の推進に重点配分した。人工知能（ＡＩ）・半導体や量子、バイオ、航空・宇宙など１７分野への官民連携による投資は成長戦略の核。国際的に開発競争が激化するＡＩ・半導体の産業基盤強化には特別会計から１兆２３９０億円の巨費を投じる。
危機管理・成長投資を巡っては、２５年度補正予算でも国内造船業の再生へ１２００億円、宇宙戦略基金に２０００億円の予算を確保した。税制面でも大胆な設備投資を後押しする租税特別措置の新設などを盛り込み、政策を総動員する。
これまで横ばいで推移してきた「科学研究費助成事業（科研費）」は２４７９億円と、２５年度当初比で１０１億円の大幅増額。基礎研究を充実強化するとともに、ＡＩ、量子、バイオ、宇宙などの研究開発を戦略的に推進する。
物価高騰への対応では、デフレが長期化する中で変動がなかった公的制度の基準額を見直し、４５年間据え置かれていた交通遺児への給付金などを引き上げた。また、２６年度と２７年度に医療従事者に、３．２％ずつのベースアップを実現するために診療報酬を改定する。
連立を組む日本維新の会への配慮もにじむ。同党の看板政策である教育無償化の実現に向けては、２６年度から始める高校授業料や小学校給食費の無償化へ約７０００億円を確保。軽油引取税の暫定税率や、自動車購入時にかかる環境性能割廃止による地方の減収分は、地方特例交付金で国が全額穴埋めすることにした。
【時事通信社】
2025年12月26日 14時31分
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