能登売り込み、復興寄り添う=新規業者の輪島塗、今春店頭に―東京のアンテナショップ・地震2年



能登半島地震発生の2カ月後に開業した石川県のアンテナショップ「八重洲いしかわテラス」は、約300キロ離れた東京から復興に寄り添ってきた。発生から2年が経過し、被災事業者から「やっと商売のことを考えられるようになった」との声が上がる中、同店は新規出品者となる輪島塗店の食器を3月から店頭に置けるよう準備を進めている。

運営責任者の直井一馬さん(41)によると、同店で2024年3月の開業時、出品を予定していた人からは「今は事業のことを考えられない」とキャンセルが相次いだ。能登地域からの出品は商品全体の2~3割を予定していたが、実際には約1割にとどまった。

地震から約8カ月後の同年9月に能登半島を訪れた直井さんは、「悲惨な状況だった」と振り返る。倒壊した建物や崩落した道はそのまま。細く危険な道を通り、ようやく輪島塗などの出品者を訪問できた。店や工房にがれきが残った状態で事業を再開した事業者もいたという。

直井さんが被災事業者の変化を感じたのは25年に入ってからだった。がれきの撤去や道路の復旧が進み、同年12月には輪島市で初めて商談会を開催できた。輪島塗の職人やブルーベリー農家、製塩業者など11事業者が参加し、「やっと商売のことを考えられるようになった」「地震のことを忘れてほしくないから頑張りたい」との声が聞かれた。

ただ直井さんによると、避難生活が続き自宅に戻れていない人や、観光客の減少から商売再開のめどがたたない事業者も多い。県外のアンテナショップなどに出品することで「なんとか食べていけるようにしたい」との声もあり、直井さんは「能登の復興はまだまだだ」と語る。

それでも直井さんは「できるだけ多くの商品を店頭に置き、復興の手助けをしたい」と前を向く。「商品を通して能登の魅力や現状を知ってほしい」とした上で、「どうか地震のことを忘れないでほしい」と話している。

【時事通信社】 〔写真説明〕石川県のアンテナショップ「八重洲いしかわテラス」の能登支援コーナーで取材に応じる運営責任者の直井一馬さん=2025年12月17日、東京都中央区

2026年01月04日 07時06分


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