相互関税、違憲判決=米最高裁「大統領に権限なし」―トランプ氏、全世界10%関税へ



【ワシントン時事】米連邦最高裁は20日、トランプ政権が発動した相互関税は違憲との判決を下した。トランプ大統領が根拠とした国際緊急経済権限法(IEEPA)は「大統領に関税を課す権限を与えていない」と断じ、無効とした下級審の判断を支持した。一方、トランプ氏は同日記者会見し、全世界に10%の追加関税を課すと表明し、政権への打撃の緩和を図った。

トランプ氏は判決について「非常に残念だ」と指摘。最高裁に対し「この国の恥だ。憲法に忠実ではない」と非難した。

判決は9人の判事のうち6人の多数意見。憲法は関税を課す権限を議会に与えており、大統領の権限を越えていると判断した。「憲法上、大統領が関税を課すための明確な議会の権限を特定しなければならない」と指摘。IEEPAには「関税」の文言はなく、「輸出入の制限」との権限では関税賦課には「不十分だ」と指弾した。

判決は既に徴収した関税の還付については触れなかった。米税関・国境警備局によると、訴訟に関連した関税徴収額は昨年12月14日時点で約1330億ドル(約21兆円)。トランプ氏は返還に関して「全く議論していない」とした上で「今後5年間は法廷闘争を続けることになる」と語った。

トランプ氏は、通商法122条に基づき10%の関税を約5カ月間課す大統領令に署名する考えを示した。数日内にも発動するという。さらなる関税措置の導入に向け、通商法301条に基づく調査も始める。

IEEPAを根拠にして、昨年4月に幅広い国・地域に対して打ち出した相互関税や、合成麻薬「フェンタニル」の米国流入を理由とした中国、カナダ、メキシコへの関税が審理の対象。通商拡大法232条に基づく自動車や鉄鋼・アルミニウムへの関税は今回の訴訟の対象外で、日本などに引き続き課される。

トランプ氏は既に締結した各国との貿易合意について、「多くは残る」と語り、一部が変更される可能性を示唆した。昨年には、最高裁で敗訴した場合、日本などとの間で結んだ貿易合意を「解消しなければならないだろう」と述べていた。

【時事通信社】

2026年02月21日 07時36分

economy


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース