衆院重要ポスト、与党が独占=首相意向背景、野党警戒強める



自民党は衆院選での圧勝を受け、前国会まで野党に握られていた予算委員長などの衆院の重要ポストを軒並み奪還した。2026年度予算案に加え、賛否が割れる憲法改正、旧姓の通称使用拡大、衆院議員定数削減などの議論が与党ペースで進む公算が大きくなり、野党は警戒を強めている。

衆院の常任・特別委員長と審査会長の計27ポストの配分を巡る折衝で自民は終始強気だった。24年の衆院選後のポスト配分は与党15、野党12だったが、今回の協議では当初、全ポスト独占を要求。途中で懲罰委員長と消費者問題特別委員長を野党に譲る姿勢に転じたが、それ以上は譲歩せず、結局、与党で25ポストを占めることになった。

自民が奪還にこだわったのが予算委員長だ。同委員長は前国会まで枝野幸男元立憲民主党代表が務め、高市早苗首相(自民総裁)は衆院選の演説で「大臣がいくら手を挙げても、私ばっかり(答弁が)当たる」と不平を漏らしていた。奪還の背景には首相の意向があったと関係者は明かす。

予算委員長には坂本哲志氏が内定。首相は26年度予算案の「年度内成立」を何とか実現するよう党内に指示しており、少数与党国会で国対委員長を務めた坂本氏の手腕に期待したとみられる。ただ、国対族の間では「年度内成立は無理筋」との声が強く、木原稔官房長官は18日、坂本氏に会い、あくまで年度内成立を目指すようクギを刺した。

自民が立民からの奪還を予算委に次いで強く主張したのが憲法審査会長だ。憲法改正に意欲を示す首相の意向がここでも働いたとみられ、同ポストには側近の古屋圭司前選対委員長の就任が固まった。古屋氏は党憲法改正実現本部長などを務めてきた経緯があり、「改憲シフト」を敷く狙いは明らかだ。

一方、自民は法務委員長と政治改革特別委員長を立民から取り戻し、日本維新の会に譲り渡した。自民関係者は「維新にも国会審議への責任を担ってもらわなければならない」と語る。

法務委では旧姓の通称使用を法制化する法案、政治改革特別委では衆院議員定数削減法案の審議が見込まれ、反対する野党との攻防が激化する見通し。自民としては維新を法案審議の責任者に据えることで、与野党激突に伴う高市政権への打撃を一定程度和らげる狙いがあるとみられる。

委員長・審査会長は20日に選出される見通しで、野党は巨大与党の国会運営に身構える。中道改革連合の小川淳也代表は18日の党会合で「(中道は)数が多いとは言えないが、責任の重みが変わるわけではない。野党第1会派として巨大与党に対峙(たいじ)し、権力監視の仕事をやっていきたい」と語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=19日午前、東京・永田町

2026年02月20日 07時08分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース