
超党派の「社会保障国民会議」は、給付付き税額控除の制度設計を巡り、税額控除を見送って現金給付に一本化する方針だ。自治体などの事務負担を抑え、早期導入を優先。「年収の壁」を超えても手取りが増える仕組みとし、就労促進も図る。ただ、具体的な支援額や対象の線引きはこれからで、与野党間の議論は今後難航も見込まれる。
給付付き控除は、税額控除で減税しきれない差額を現金給付し、非課税世帯や納税額が少ない勤労者を支援する仕組み。税と給付を組み合わせて支援するには、金融所得や資産の正確な把握が必要だが、制度整備には時間がかかる。事務負担が重くなるとの懸念も自治体や中小企業に根強く、給付のみで早期に始める。
制度目的には、中低所得勤労者の負担軽減に加え、就労促進も据える。社会保険料の支払い義務が生じる最低ラインである「年収の壁」を超えても、給付上乗せによってさらに手取りが増えるようにし、働き控えの緩和を目指す。自民党では、高市政権が成長戦略で掲げる労働生産性の向上につなげる狙いもある。
一方、具体的にどの所得水準まで給付を増やしてどこから逓減するかや、給付額などは今後の検討課題だ。当初、年金を受給する高齢者を支援対象とすることには慎重な意見もあった。ただ、「取り残された層があるのはメッセージとしてよくない」との政治的な思惑もあり、働く高齢者も対象に加えることになった。子育て世帯への上乗せ額を含め、難しい判断を迫られる論点は多く、与野党間で一致点を見いだせるかは不透明だ。
なかでも最大の懸案はこれらの裏付けとなる恒久財源の確保。高市政権が制度導入までの「つなぎ」と位置付ける2年間の食料品の消費税ゼロについても、年5兆円とされる財源にめどがついていない。夏前の中間取りまとめに向け、課題はまだ山積している。
【時事通信社】
〔写真説明〕社会保障国民会議の初会合=2月26日、首相官邸
2026年05月28日 07時40分