欧州、ウクライナ和平に思惑=関与強化、米抱き込み狙う―G7サミット



【エビアン時事】15日にフランスで開幕する先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、英国、フランス、ドイツは「欧州・大西洋の安全保障と不可分」と位置付けるウクライナ和平に向けた機運の醸成を図る。ウクライナとロシアを仲介してきた米国は中東介入にかかりきりで和平交渉は停滞。ウクライナに有利な形で交渉を活性化させたい英仏独は、これまで距離を置いてきたイラン問題で協力姿勢を見せることでトランプ米大統領の歓心を買い、抱き込みたい考えだ。

和平交渉は、ウクライナとロシア双方が領土問題で引かずこう着。米政権はウクライナの領土割譲は避けられないとみており、同国のゼレンスキー大統領は2月、「(米国は)ウクライナにばかり譲歩を求める」と不満をこぼしていた。

しかし、米国がイラン対応に注力した4、5月は、欧州の支援に支えられたウクライナ軍が優位に立った。好機とみたゼレンスキー氏は今月4日、交渉の主導権を握ろうとロシアのプーチン大統領に直接対話を呼び掛けた。

英仏独首脳は同7日にゼレンスキー氏と会談し、ウクライナの支援強化へG7サミットを最大限活用する方策を練った。11日には英仏独の駐ロシア大使が、そろってロシア高官と会談するなど対話の糸口を探り始めている。

サミットでは、2日目の16日にゼレンスキー氏を交えてウクライナ情勢を討議。トランプ氏から肯定的な反応を引き出せるかが焦点だ。

独政府は「われわれ(欧州)と米国がどの程度足並みをそろえられるか」を探る場になると指摘。ロシアの再侵攻を防ぐ「安全の保証」に関し、米国は停戦監視を担うと約束したが、トランプ氏は最終決定を留保しており、仏大統領府筋は「少なくとも後退させないことが大事」だと警戒感を解かない。

トランプ氏は対イラン作戦に欧州が非協力的だといら立ちをぶつけてきたが、イランとの停戦交渉が実を結べば、ホルムズ海峡の安全確保に向けて米欧の足並みがそろいやすくなる。欧州当局者はトランプ氏の機嫌を左右するイラン情勢に気をもんでいる。

【時事通信社】 〔写真説明〕6日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)の開催地フランス東部エビアンで掲げられた、サミット参加国の国旗(EPA時事)

2026年06月16日 12時46分


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