
【ワシントン、カイロ時事】米国とイランは米東部時間14日(日本時間15日)、戦闘を終結する覚書に合意したと発表した。スイスで19日に署名式を行った後、イランが事実上封鎖している原油輸送の要衝ホルムズ海峡を開放。米軍はイラン港湾に対する海上封鎖を解除し、船舶の通航を再開させる。両国ともに合意内容の履行は署名後に始まるとの認識で一致している。
署名に伴い、ホルムズ海峡の物流が正常化し、世界的な原油高騰などエネルギー危機が着実に収束するかが今後の焦点となる。ただ、現時点で覚書の全容は明らかになっていない。
トランプ大統領は14日、覚書について「合意が成立した」とSNSで表明した。ホルムズ海峡での通航料なしの自由航行を認め、米軍の封鎖解除を承認すると説明。合意が「地域全体に平和と安定をもたらす」と評価したほか、海峡開放に伴い機雷除去が行われる見通しを示し、原油輸送の拡大を呼び掛けた。
15日には、SNSに「石油を積んだ船舶がホルムズ海峡を抜け始めている」と投稿。オマーン領海内を通る南側の航路帯を指しているとみられる。
イランで国防・外交を統括する最高安全保障委員会も覚書に合意したと発表。米国が「覚書の義務」を果たす必要性を強調した。AFP通信によると、イラン外務省報道官は15日、海峡を通航する船舶から料金を徴収する考えを改めて示した。
交渉を仲介するパキスタンのシャリフ首相はX(旧ツイッター)で、米イラン双方が、レバノンを含む全ての前線で軍事行動を「即時かつ恒久的に停止すると宣言した」と述べた。
バンス米副大統領は14日にFOXニュースで、イランが核兵器を保有せず、開発や調達をしない確約が覚書に盛り込まれていると説明。署名後の60日間で、イランが持つ高濃縮ウランの処分方法や制裁緩和を議題とする核協議が開かれる見通しだが、議論は難航するとの見方が根強い。
署名式はスイス・ジュネーブでの開催が浮上している。米側はバンス氏が出席し、トランプ氏も参加する可能性がある。
【時事通信社】
〔写真説明〕トランプ米大統領=3日、米ホワイトハウス(AFP時事)
〔写真説明〕パキスタンのシャリフ首相=2025年10月、クアラルンプール(AFP時事)
2026年06月16日 07時44分