「副首都」修正、連立に火種=自維党首決着、双方不満も



日本維新の会の看板政策の一つである「副首都」創設法案を巡り、維新が原案修正を受け入れる方向となった。自民党内の反対論に押し切られた形だ。与党党首会談によるトップダウンで事実上決着したが、双方にしこりを残した。衆院議員定数削減法案でも両党の足並みは乱れており、連立の火種はくすぶり続けている。

「首相からの話だから重く受け止めなければいけない」。維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は23日、府庁で記者団にこう述べ、高市早苗首相(自民総裁)の修正要求に応じる考えをにじませた。この後、地域政党「大阪維新の会」は修正に同意した。首相は22日の党首会談で吉村氏に「大阪都」構想の住民投票を府域全体に拡大できるとした法案付則の削除を求めていた。

吉村氏は会談で「非常に重要な部分が最後にひっくり返るのは、ちょっと違うんじゃないか。非常に残念だ」と不快感を表明。首相は「申し訳ない」と述べつつ、修正要求を貫いた。

官邸幹部は「首相は維新に寄り添ってきたが、自民内の不満を抑えきれなかった」と述べ、首相にとっても苦渋の決断だったと明らかにした。

ただ、与党党首会談には両党から不満が出ている。吉村氏が会談直後、記者団に「首相は大阪都構想に賛成している」と明言すると、大阪を地盤とする自民の国会議員が反発。萩生田光一幹事長代行は23日の記者会見で「(首相は)都構想を含めた副首都構想を高く評価する意向を示した」と軌道修正し、両党の説明に食い違いが生じた。

維新内では「吉村氏はいつも党内議論の積み上げを無視し、勝手にまとめてくる」(ベテラン)と不信感が広がっている。

与党の不協和音の背景には、調整機能の弱さがある。党首会談に両党幹事長の姿はなく、木原稔官房長官と維新の遠藤敬国対委員長(首相補佐官)が同席した。昨年12月にも同じ光景があり、両党首の個人的な信頼関係に大きく依存した政権運営となっている。

首相は周囲に「(昨年10月に)少数与党下で私が首相になれたのは維新のおかげだ」と漏らし、維新との関係維持を重視。一方、自民内には独自政策にこだわる維新よりも、国民民主党の連立入りに動くべきだとの意見が根強い。

今国会は7月17日に会期末を迎える。維新が重視する副首都法案、衆院議員定数削減法案は、いずれも与党少数の参院で野党の協力が得られる見通しは立っていない。自民は定数削減法案の成立にこだわっておらず「継続審議にすればいい」(党幹部)との声も聞こえる。

【時事通信社】 〔写真説明〕高市早苗首相との会談を終え、記者団の取材に応じる日本維新の会の吉村洋文代表=22日、首相官邸 〔写真説明〕日本維新の会の吉村洋文代表との会談を終え、記者団の取材に応じる高市早苗首相=22日、首相官邸 〔写真説明〕地域政党「大阪維新の会」全体会議であいさつする日本維新の会の吉村洋文代表(左から2人目)=23日夜、大阪市中央区

2026年06月24日 07時03分


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