電力各社が使用済み核燃料の受け入れ先として期待する日本原燃の再処理工場(青森県)は誤算が続く。当初は1997年の完成予定が、相次ぐトラブルなどで延期を繰り返し、最新目標では約30年遅れに。この間、建設費用も膨らみ、使用済燃料再処理・廃炉推進機構によると、操業開始までの設備投資は総額約5兆6000億円の見込みだ。
原燃は操業開始を来年度としているが、完成時期がずれ込めば、さらに費用がかさむ可能性もある。これらはすべて電力消費者の負担となる。
再処理工場で取り出されたプルトニウムなどはウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料として原発で使われる想定となっている。こうしてプルトニウムが循環する流れは「核燃料サイクル」と呼ばれ、エネルギー自給率の低い日本で資源の有効利用につながるとして国が推進してきた。
同機構によると、設備投資の内訳は完成済み施設の建設費として約2兆1500億円、原発事故後の新規制基準への対応費として約1兆7700億円、設備の更新や補修に約1兆6800億円。操業開始後も巨額の費用が必要で、将来の工場廃止措置なども含めた総事業費は約15兆9800億円に上ると積算されている。
核燃料サイクルの実現には、さらに来年度完成予定のMOX燃料工場建設に約8000億円、設備更新などに約2500億円がかかる。同工場の操業開始後の費用まで含めれば、計約2兆6800億円が必要という。
いずれの施設も、原発を保有する電力9社と日本原子力発電が資金を拠出。原資は電気料金に含まれており、消費者は先行き不透明な事業への支出を長期にわたって支えることになる。
【時事通信社】
2026年06月29日 07時16分
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