
【ワシントン時事】米クリーブランド連邦準備銀行のロレッタ・メスター前総裁は17日、オンラインで時事通信のインタビューに応じ、連邦準備制度理事会(FRB)による年内利上げの必要性に言及した。FRBが掲げるインフレ率の2%目標が5年以上達成されていないことを問題視。中東情勢悪化に伴う原油高や人工知能(AI)ブームに起因したインフレ圧力に警戒感を示した。
ウォーシュFRB議長がAI革命による生産性向上で将来的にインフレ圧力が和らぎ、利下げが可能になると主張していることには、否定的な見方を明らかにした。
トランプ米政権の高関税政策や、米イスラエルとイランの紛争を受けた原油高騰など供給ショックが相次ぐ中、経済は「驚くほど底堅い」と分析。実体経済の強さを踏まえ「現行の金融政策は引き締め的ではない」と言い切った。
FRBが今月下旬に開く連邦公開市場委員会(FOMC)では「年内利上げが議論される」と予想。原油価格が再び上昇しているため「利上げをしなければならないだろう」とみる。ただ、6月の消費者物価指数(CPI)の伸び率が鈍化したことなどから「今月の利上げは必要ない」と指摘した。
AI投資の活発化を巡っては、生産性向上で潜在成長率が上昇すれば、景気を刺激も抑制もしない「中立金利」が上がる可能性が高いと予測。経済成長の加速を受け、「必ずしも政策金利を下げる余地があるわけではない」と述べた。
ウォーシュ氏は政策の先行きを示す「フォワードガイダンス」に懐疑的だが、メスター氏は「経済情勢にどう反応するかもっと情報を提示すべきだ」と訴えた。
雇用最大化と物価安定に向け、市場との対話手法見直しやインフレ高進の分析など5分野の政策について外部専門家が議論するFRBの作業部会に関しては、「検討する価値のあるものだ。どのような結果が得られるか、やや楽しみだ」と歓迎した。
【時事通信社】
〔写真説明〕米クリーブランド連邦準備銀行のロレッタ・メスター前総裁(ペンシルベニア大提供・時事)
2026年07月19日 07時03分