大規模災害時に首都機能を代替する「副首都」創設法が成立したことを受け、副首都指定を目指す自治体の動きが加速しそうだ。副首都は道府県と政令市が協力して取り組む。大阪府や愛知、福岡両県が意欲を表明。北海道なども前向きだ。ただ、具体的な指定要件は政令で今後定めるため、自治体の間からは「中身がよく分からない」との声も漏れる。
副首都構想は日本維新の会(代表・吉村洋文大阪府知事)の看板政策。東京一極集中是正や経済成長の拠点形成を目指す。府と大阪市は6月、幹部職員らのチームを設置。副首都に必要なインフラ整備や規制緩和、民間投資を呼び込む税制措置などを検討しており、今秋をめどに意見集約する。
同法成立を契機に、大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」の議論も加速させたい考えだ。特別区設置は副首都指定の「必要条件」ではないが、吉村氏は都構想について「副首都を大阪で運営する上でふさわしい体制」と訴える。
「オール愛知でしっかりと準備を進めていく」。今月24日夜、同法が成立すると、愛知県の大村秀章知事は間髪入れずに記者会見し、名乗りを上げた。大村氏は「指定されれば法律上、東京に次ぐ大都市圏だと明確に位置付けてもらえる。ブランディング効果は計り知れない」としており、近く名古屋市と共同で推進会議を開く。
福岡県は福岡、北九州両市と指定に向け準備を進めている。服部誠太郎知事は14日、両市との間で連絡会議を立ち上げると表明。両市と連携を強め、災害時の首都機能バックアップに加え、物流・交通の基盤整備などの課題も検討する。
この流れに水を差しかねないのが県議会での金銭授受疑惑だ。服部氏は「副首都を目指す上で支障とならないよう早期に解決したい」と言明。高島宗一郎福岡市長は「いち早く正していただきたい」と苦言を呈しつつ、災害時のバックアップ機能など「地政学的に福岡の優位性は変わらない」と強調する。
一方、同法成立に先立ち24日会見した北海道の鈴木直道知事は、災害リスク分散の観点から「道・札幌市は適地だ」と主張。「札幌市とより具体的な準備を進め、対象となるように国とも協議していきたい」と述べた。担当者は「人口の要件も何カ所指定されるかも全く分からないが、想定の想定で準備しないと乗り遅れる」とし、情報収集を急ぐ考えを示した。
【時事通信社】
2026年07月26日 19時04分
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