
【北京時事】1990年代を中心に強力に改革を推進し中国を経済大国に押し上げた朱鎔基元首相が12日、病気のため北京市内で死去した。97歳だった。国営新華社通信が伝えた。共産党幹部の腐敗撲滅を早くから声高に訴え、江沢民政権の「鉄腕宰相」として高い評価を受けた。歯に衣(きぬ)着せぬ率直な物言いでも人気を集めた。
改革開放路線を進めた当時の最高実力者、トウ小平氏の信任が厚く、91年に上海市トップの党委員会書記から副首相に抜てきされた。98年の首相就任後は金融、国有企業、行政の三大改革で大胆なリストラを指揮。2003年に政界を引退した。
朱氏が国内の抵抗勢力を排し01年に世界貿易機関(WTO)加盟を果たしたことで、中国は社会主義体制を維持したまま「世界の工場」に成長した。一方で、都市と農村の格差など高度経済成長のひずみが顕在化。国有企業改革に伴う失業者発生が深刻化するなど副作用も生んだ。
国民の不満が大きい官僚の不正や浪費に対して厳しい姿勢で臨み、清廉なイメージで知られた。毎年開催の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)での政策説明では、汚職追放を強調して大きな拍手を浴びるのが常だった。しかし、党の腐敗体質の抜本的改革には至らず、現在の習近平政権も汚職摘発に追われている。
日本に対しては融和路線をアピールした。内陸部の経済発展を図る「西部大開発」への投資などで日本の経済協力を必要としていたことが背景にあり、対日強硬路線を貫いた「上司」の江国家主席(当時)とは対照的だった。
【時事通信社】
〔写真説明〕中国の朱鎔基元首相(中央)=2012年11月、北京(AFP時事)
〔写真説明〕元中国首相の朱鎔基氏=2000年、東京都内
2026年08月13日 18時03分