広域連携や業態転換も=地場証券、生き残り模索―主要顧客の高齢富裕層、先細りで



地域密着の「地場証券」と呼ばれる小規模の証券会社が年々減少している。高齢化の進展で主要顧客である地域の富裕層は先細りし、経営環境は厳しい。廃業・撤退も相次ぐ中、生き残りをかけ、地場証券同士の広域連携で新規上場企業の創出を目指したり、事務システム負担から自由になるためにIFA(金融商品仲介業者)に業態転換したりする動きが出ている。

今村証券(金沢市)は2023年5月、長野証券(長野市)、大熊本証券(熊本市)と新規上場企業の創出を目指すコンソーシアムを設立。中小・ベンチャー企業の成長に向け、それぞれのエリアを越えて、ビジネスマッチングや投資家をつなげる。コンソーシアムは全国に広がり、25年12月には8社目となる地場証券の西村証券(京都市)が加入。今村証券の今村直喜社長は「(株式売買手数料に依存した)旧収益構造から脱出する」と強調。地方発の新規上場企業を育て、将来的に株式引き受け業務を狙う。

セキュリティー対策の高度化などで膨らむシステム費用は地場証券に重荷だ。このため、岡三証券グループは地場証券のIFAへの転換を支援しており、13年以降で10社に上る。決済や顧客資産の管理などは岡三のシステムを利用し、中立的な立場での資産運用のアドバイスに特化する。

岡三傘下の三縁証券ウェルスマネジメント(名古屋市、旧三縁証券)は昨年5月にIFAに転換。提供を始めた投資一任型商品「ファンドラップ」は約1年で、預かり資産が30億円超に伸びた。前田竜一社長は「高齢化が進む中、商品やサービスで次世代との接点をつくっていきたい」と語る。

日本証券業協会も業界全体でバックオフィス(後方事務)の負担軽減への取り組みを始めた。会員の証券会社とともに「証券業務基盤監理」会社を今年1月に設立し、外国株の株式分割などの情報収集事務を集約。来年4月からのICチップを使った本人確認の義務化に伴い、口座開設手続きアプリを提供する方針だ。担当者は「(地場証券の)生き残りの一助にしたい」と話す。

【時事通信社】

2026年10月20日 07時27分

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