浜岡差し止め、訴えを却下=データ不正で中部電批判―再稼働見通し立たず・静岡地裁



中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の安全性に問題があるとして、周辺住民ら31人が3~5号機の運転差し止めなどを求めた訴訟の判決が27日、静岡地裁であった。平山馨裁判長は、中部電のデータ不正問題により、再稼働に必要な原子力規制委員会の審査で「(合格の)見通しはおよそ立たなくなった」と指摘、訴えの利益がなくなったとして請求を却下した。

原告側は東日本大震災後の2011年に提訴。南海トラフ巨大地震の想定震源域に立地する同原発の安全性が争点だったが、実質的な判断は示されなかった。

中部電は浜岡3、4号機について、規制委に審査を申請していたが、今年1月、想定される地震の揺れ(基準地震動)のデータを不正に選定していたことが発覚。9月に申請を取り下げた。

平山裁判長は、データ不正について「規制委の評価をいわば騙取(へんしゅ)した行為は同社の技術的能力に疑念を抱かされる事実」と非難。浜岡原発が審査に合格し、再稼働する見通しは「およそ立たなくなった」と指摘した。

その上で、争点となるべき浜岡原発の安全対策などが具体化していないことから、「裁判所において判断できる状態になく、差し止めを求める訴えの利益はない」と訴えを却下した。

民事訴訟では通常、敗訴した側が訴訟費用を負担するのが原則だが、判決は「不正行為の影響を受けた中部電の主張立証は必要でない訴訟行為だった」と指摘。原告側と折半するよう命じた。

記者会見した原告弁護団の青山雅幸弁護士は中部電の不正を認めながら請求を却下した判決について「司法の役割を放棄したとしか言いようがない」と批判。廃炉を求める訴えを追加し、控訴すると明らかにした。

中部電の担当者も会見を開き、「長い裁判だった。(判決内容は)今後、社内で精査する」と語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕中部電力浜岡原発3~5号機の運転差し止めを求めた訴訟の判決を受け、「不当判決」と書かれた紙などを掲げる原告側弁護団=27日午後、静岡市 〔写真説明〕中部電力浜岡原発=7月11日、静岡県御前崎市

2026年10月27日 18時45分


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