
政界再編に詳しい国学院大学の山本健太郎教授(日本政治)が時事通信のインタビューに応じ、中道改革連合の分裂により自民党に対抗する「大きな固まり」を目指す野党再編は「一層困難になった」との見方を示した。同時に、各党が存続した上で衆参両院選の選挙区で候補者をすみ分けることが反転のカギになると指摘した。主なやりとりは次の通り。
―中道結党が失敗した要因は。
選挙直前の新党結成は成功しないケースがほとんどだ。2025年参院選で立憲民主党は比例代表の得票で国民民主党、参政党に次ぐ野党第3位に沈んだ。立民系には、単独で今年の衆院選を戦えば結果は違ったとの声も強いが、そもそもじり貧だったと認識すべきだ。かなり前の段階で「回帰不能点」があったのではないか。
―「政権交代」の訴えが響かなかった。
旧民主党はマニフェストに具体的政策や数値を書き込み、信頼を得ようとした。その挫折後、違うやり方を見つけられないまま時間だけ過ぎている。中道が有権者に否定され、政権の受け皿となり得る「大きな固まり」をつくる試み自体が難しくなった。中道分裂後、公明党から自民党との再連立に意欲的な発言も出ており、覚悟が疑われる。自民党からすれば政権運営しやすい状況だ。
―「多弱」状態脱却のポイントは。
衆院比例代表定数削減が行われれば、小選挙区の比重がかつてなく高まる。それを契機に野党間で選挙区のすみ分けを進め、現場レベルの協調をつくるべきだ。28年参院選である程度形になれば、衆院選も同じ枠組みができる。
―すみ分けには「選挙互助会」批判もある。
民主党には批判も根強いが、自民党にできないことをやると掲げ、野党陣営の候補一本化を正当化した。自民党政権がなし得ないことを真剣に探すことこそ、野党が今取り組むべき課題ではないか。立民も国民民主党もずっと民主党の幻と戦っている。相手は自民党ではないか。
―民主改革の会や中道落選者はどう動くか。
最もハードルが低いのは立民復党だが、中道への合流協議で立民はリベラル路線に純化した。今後、政権を担う選択肢には浮上しにくい。落選者にも物足りなく映るだろう。現実的には国民民主党が野党第1党にシフトしつつあり、玉木雄一郎代表が政権交代への決意を定めれば、民主改革の協力が必要だ。公明党にはその橋渡しを担う役割があるだろう。
【時事通信社】
〔写真説明〕国学院大学の山本健太郎教授=10月23日、東京都渋谷区の同大
2026年11月01日 08時01分