【ニューヨーク時事】25日のニューヨーク株式相場は、新型コロナウイルスによる肺炎の世界的な拡大への懸念から、前日に続き大幅に下落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は、前日終値比879.44ドル安の2万7081.36ドルと、昨年10月末以来の安値で終了した。2日間の下げ幅は1900ドルを超えており、世界経済の減速を警戒する投資家はリスク回避の姿勢を一層強めている。
25日のダウ平均は、前日の1000ドルを超す急落の反動で取引開始から上昇したが、買いが一巡すると、下げに転じた。米疾病対策センター(CDC)が、新型肺炎の世界的な大流行「パンデミック」に備えるよう警告した後、下げが加速し、下落幅は一時950ドルを超えた。
ハイテク株中心のナスダック総合指数は255.67ポイント安の8965.61で引けた。
市場では「過熱していた株価の調整局面」(米エコノミスト)との見方が根強い。ただ、2日連続の大幅下落で投資家心理は急速に冷え込んでおり、さらなる値下がりを警戒する声も出ている。
一方、「安全資産」とされる米国債は買われ、利回りは低下(価格は上昇)した。長期金利の指標となる10年債利回りは、一時1.31%付近と、過去最低を記録。新型肺炎の拡大による米景気悪化への懸念が広がる中、米連邦準備制度理事会(FRB)に対する市場からの利下げ圧力が高まっている。
【時事通信社】
〔写真説明〕米株価が急落した25日、ニューヨーク証券取引所で働くトレーダーら(AFP時事)
2020年02月26日 08時10分