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ホタテ輸出、多角化急ぐ=水産物の「脱中国」課題―処理水問題で風評再燃



東京電力福島第1原発の敷地内にたまった処理水の海洋放出開始と、それに反発した中国が日本産水産物を全面禁輸としてから24日で半年となる。東日本大震災と原発事故から13年が過ぎようとしても水産物に対する風評が再燃する中、サプライチェーン(供給網)の脱「中国依存」という新たな課題も浮上した。特に対中輸出の依存度が高かったホタテ貝では、輸出先多角化の取り組みが始まった。

「出荷量はどれくらい?」「1日にどれくらいむけますか?」。1月下旬、ベトナム北部ナムディン省の水産加工施設。日本貿易振興機構(ジェトロ)が派遣した視察団に参加した水産事業者など12社の担当者らが、熱心に商談の可能性を探った。

日本から中国へ輸出された年14.3万トンのホタテのうち、3万~4万トンは殻むき加工された後に米国に送り出していた。中国に代わる加工拠点の有力候補地として浮上したのが、人件費の安いベトナムだ。

加工技術に課題は残るものの、視察団への参加者からは「中国だけでなくアジアと組んで米国に販売するルートを開拓したい」「(中国の禁輸が解除されても)2~3割は別の国にシフトする」といった声が上がった。3月には、メキシコで加工したホタテを、米国に陸路で輸出するルート開拓のための視察団も派遣する。

ベトナムを加工拠点として活用する動きは、既に始まっている。飲食店向けの水産物電子商取引(EC)サイト「魚ポチ」を運営するフーディソンは、水産商社などと組んで、行き場を失った北海道産ホタテをベトナムにコンテナ1個分(約23トン)運んで加工。日本で近く本格販売に乗り出す。

農林水産省によると、2023年のホタテの輸出額は、前年に半分超のシェアを占めた中国へのホタテ輸出が9月以降ゼロになったことが響き、689億円と前年比24.4%落ち込んだ。ただ、米国向けの輸出額は9~12月に前年同期比ほぼ倍増するなど、輸出先の多角化に「一定の成果」(坂本哲志農水相)が上がり始めた。

23年の中国向け農林水産物・食品の輸出額は、前年比14.6%減の2376億円となり、震災が起きた11年以来のマイナスだった。とはいえ、最大の輸出先である中国との取引円滑化は日中間の貿易に携わる民間企業にとって死活問題だ。昨年10月に日中農林水産物貿易発展協会(東京)を設立した範軍代表理事は「日中両政府に対して現場の声を届けることが大事だ」と指摘している。(東京、ハノイ時事)。

【時事通信社】 〔写真説明〕中国の禁輸の影響で相場が下がっているホタテ=2023年9月、東京都江東区の豊洲市場 〔写真説明〕ベトナムの水産加工現場を視察する日本の水産事業者ら=1月22日、ベトナム北部ナムディン省

2024年02月23日 15時07分


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