侵攻終結願い、故郷の星空解説=「同じ地球で見上げ平和を」―ウクライナ避難女性・広島



ロシアの侵攻を受けるウクライナを離れ、東京で避難生活を送るオレナ・ゼムリヤチェンコさん(33)が今月上旬、広島市内のプラネタリウムで故郷の星空を解説した。「同じ地球で同じ空を見上げることが平和につながる」。侵攻開始から24日で4年半。広島の原爆犠牲者にも思いをはせ、侵攻終結と戦争のない平和な世界を願う。

ゼムリヤチェンコさんは、東部ハルキウのプラネタリウムで解説員をしていた。2022年2月に侵攻が始まり、同年4月に「できるだけ遠く離れた場所へ」という思いで夫と共に日本に避難。当初は知人もいない中で日本語を学び、23年2月から日本のプラネタリウム関係者の支援を得て、各地でウクライナの星空を紹介している。

広島市こども文化科学館の招きで初めて同市を訪れ、81年目の原爆忌を控えた今月2日、同館で特別投影に臨んだ。市民ら160人超が集まり、ハルキウと広島それぞれの星空の見え方や、星座にまつわるウクライナの伝承に耳を傾けた。

「星空は国を超えて人と人をつないでくれる。戦争への恐怖ではなく、感動と希望を持って見上げられる星空でありますように」。ゼムリヤチェンコさんが締めくくると、大きな拍手が湧いた。投影を企画し、共に解説した同館の大谷信吾学芸員(39)は「考えるきっかけをつくり、思いを伝えることができた」と手応えを語った。

投影翌日には、原爆ドームや広島平和記念資料館を訪れたゼムリヤチェンコさん。戦争で多くの命や日常が奪われた場所に足を運ぶと「遠い過去の出来事ではなく、今のウクライナと重ねて考えてしまう」。一方、広島の復興や平和を伝える取り組みにも「強く心を動かされた」といい、「ウクライナもいつか戦争が終わり、未来について考えられる日が来てほしい」と力を込めた。

【時事通信社】 〔写真説明〕プラネタリウムの解説を終え、取材に応じるウクライナ避難民のオレナ・ゼムリヤチェンコさん=2日、広島市中区

2026年08月23日 07時02分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース