政府は重要インフラを扱う事業者のサイバーセキュリティー対策の強化に向け、ガイドライン案をまとめた。インターネットから遮断された閉鎖ネットワークでも「安全とは限らない」と指摘。身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」を使った近年のサイバー攻撃の事例も踏まえ、「サイバー保険」など約150項目を「講ずべき対策」として求めた。
政府は26日までパブリックコメント(意見公募)を実施。意見を踏まえて修正を加え、9月中に成案を公表する。業界団体や所管省庁が安全基準をまとめる際の参考にしてもらう考えだ。
ガイドライン案は重要インフラに指定された金融、鉄道、電力など15分野と、10月から新たに加わる郵便の事業者が対象。サイバーセキュリティー対策を「企業存続のカギとなり得る経営課題」と位置付け、「サイバー攻撃から完全に防御するのは困難だ」として障害発生を見越した回復力を確保するよう求めた。「『閉域網だから安全』『専用OSだから安全』『独自技術仕様だから安全』といった過信」を戒めた。
その上で「講ずべき対策」を列挙。ランサムウエア攻撃に対しては「金銭の支払いは厳に慎む」よう求めつつ、「極めて大きな財務的インパクトが発生し得る」として、サイバー保険などによる資金手当てを検討することを提唱している。
最先端のAI(人工知能)モデル「クロード・ミュトス」などを使ったサイバー攻撃に対処するため、「高性能AIを積極的に防御に活用していくことも含め、対策強化を早急に進めていくことが必要だ」と明記。量子コンピューターの開発進展に備え、解読困難な暗号「PQC」を2035年を目標に早期に導入することも求めている。
【時事通信社】
2026年08月24日 07時41分
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