
【ダーラン時事】サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコのアシュラフ・ガザウィ上級副社長との主なやりとりは次の通り。
―石油需要の見通しは。
信頼できる予想機関はいずれも石油需要が力強く伸びると見ている。世界は引き続き従来型のエネルギーを追求していくと思う。
―脱炭素化をどう見るか。
温室効果ガスの排出量を最小限に抑える方法を探す必要がある。アラムコは生産コストが最も低いだけではなく、石油の開発や生産に関する部門の排出量も非常に少ない会社だ。(脱炭素化の進展で)非常に有利な立場にある。
―近年は天然ガスと石油化学の分野に力を入れている。
どちらの需要も堅調に推移すると考えている。石油化学の伸びは世界経済の成長率を上回る見通しだ。ガスはもはや過渡期の燃料とは見なされていない。ジャフラ・ガス田では生産が始まった。ガスはサウジの経済成長を支えるけん引役になるだろう。
―東アジア諸国との関係をどう考えるか。
アジアは戦略上最も重要な市場だ。日本と中国、韓国では、石油化学などへの投資を検討していく。
―石油の安定供給に向けた取り組みは。
サプライチェーン(供給網)を現地化してきた。アラムコは事業の回復力を追求している。2019年に石油関連施設が攻撃を受けたが、10日ほどで正常化できるとは誰も思っていなかったはずだ。
〔写真説明〕取材に応じるサウジアラムコのガザウィ上級副社長=17日、ダーラン
2025年12月28日 07時12分