【ワシントン時事】米連邦最高裁判所が20日、トランプ政権が発動した相互関税などを違憲と判断したことで、米国の財政悪化を巡る懸念が強まっている。トランプ大統領は代替の関税導入でいずれ「収入は増える」と主張するが、先行きには不透明感が漂う。
トランプ氏肝煎りの大型減税では、財源の相当な部分を「トランプ関税」が事実上担う。ベセント財務長官は20日、南部テキサス州で講演し、不公正な貿易相手への制裁措置である通商法301条などを活用すれば、「今年の関税収入は実質的には変わらない」と強調した。
しかし、トランプ氏が「より複雑で時間もかかる」と認めたように、代替とされる301条や通商拡大法232条に基づく関税発動の前提には市場調査が必要となる。当てにしていた関税収入が減れば、赤字増加と債務膨張が加速し、安全資産とされる米国債や基軸通貨ドルの信認を脅かし、金融市場の波乱要因となりかねない。
米議会予算局(CBO)が今月公表した財政見通しによると、2026会計年度(25年10月~26年9月)の関税収入は4180億ドル(約65兆円)と、25年度から2倍以上に急増。「少なくとも1934年度以降で初めて」法人税収を上回るとみられていた。
CBOは、最高裁が違憲とした国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税賦課は、昨年の関税収入の41%を占めたと分析する。米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は20日、判決を受けて徴収済みの関税が還付され、代替の歳入措置も導入されない場合、債務が金利負担も含めて36年度までに2兆4000億ドル(約370兆円)増えるとの試算を明らかにした。
2026年02月21日 16時02分
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