
「とにかく成長のスイッチを押して、押して、押して、押して、押しまくってまいります」。高市早苗首相は20日の施政方針演説で、衆院選の街頭演説で用いたフレーズを随所にちりばめた。閣議決定する施政方針演説で砕けた表現を使うのは珍しいが、「高市旋風」の一因とみられる「飾らない姿勢」を改めてアピールしたい考えがのぞく。
演説の文字数は約1万2900字。平成以降では1996年の橋本龍太郎首相(当時)、2010年の鳩山由紀夫首相(同)に次ぐ3番目の長さだ。時の首相の国会演説は各府省庁からの「短冊」原稿を束ねた総花的な内容になりがちだが、首相は今回「かなり赤ペンを入れた」(周辺)。思い入れのある「強い経済」は計5回登場した。
演説では中国の歴史書「春秋」の注釈書「春秋左氏伝」から「信もって義を行い、義もって命を成す」を引用した。「信頼によって正しい道を行い、使命を全うする」を意味し、政権幹部は「衆院選で信を得たからと言って、何をやってもいいわけではないという戒めを込めた」と解説した。
ただ、野党に対する姿勢は変化の兆しを見せる。与党が衆参両院で過半数割れしていた昨年10月の所信表明演説では「各党からの政策提案をお受けする」と低姿勢で呼び掛けたが、今回は「野党とも力を合わせたい」としつつ「謙虚に、しかし、大胆に、政権運営に当たっていく」と宣言。「全ては国民のため」として26年度予算案の審議を「年度内成立」も視野に迅速に進めるよう迫った。
【時事通信社】
〔写真説明〕衆院本会議で施政方針演説をする高市早苗首相=20日午後、国会内
2026年02月21日 08時50分