日銀は27、28両日に開く金融政策決定会合で、昨年12月以来となる追加利上げの是非を議論する。中東情勢の緊迫が続く中、日銀は原油価格の高騰による経済への影響を慎重に点検する考え。ただ、物価抑制を重視して利上げに踏み切れば景気を冷やしかねず、景気下支えのために利上げを見送れば物価の上振れが懸念され、日銀はジレンマに直面している。米イランの和平協議の進展などをぎりぎりまで見極め、最終判断する方針だ。
日銀は昨年12月に政策金利を現行の0.75%に引き上げた。今後も金融政策の正常化を継続する姿勢を示しており、次の利上げ時期が焦点になっている。金融市場では、早ければ4月にも追加利上げに踏み切るとの観測が広がっていた。
しかし、2月末に米イスラエルがイラン攻撃を開始し、中東情勢は不安定化。原油高騰による交易条件の悪化で、実体経済への打撃が懸念されている。企業収益が圧迫されれば、日銀が重視する物価と賃金が共に上昇する好循環が途切れかねない。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長引いた場合、サプライチェーン(供給網)の寸断で生産活動が停滞するリスクも指摘されている。
米ワシントンで15日午後(日本時間16日午前)に開かれた先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で、金融政策に関し、各国の参加者から「今は様子見(の段階)」という声が多く出た。植田和男日銀総裁は16日午後(日本時間17日午前)の記者会見で、「中東情勢の帰趨(きすう)が非常に不透明であることを踏まえた上で、持続的・安定的に2%(の物価目標)を実現するには、どういう政策が適当かという観点から判断していく」と語った。
日銀は今月の決定会合で、最新の景気予測「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」をまとめる。エネルギー価格の上昇を受け、2026年度は1.9%としていた物価上昇率の見通しを上方修正するとみられる。インフレが加速する中、金融政策運営が後手に回れば、将来大幅な利上げを迫られて景気に悪影響を与える恐れもある。
2026年04月18日 07時03分
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