金利上昇、インフレ加速を反映=日銀対応後手なら一段の急騰も



長期金利の上昇基調が鮮明になっている。中東情勢の混乱で原油価格の高騰が続き、インフレ加速懸念を反映した動きだと市場は受け止めている。さらに、日銀の利上げが後手に回るとの見方や、政府による国債増発観測も金利上昇に拍車を掛けた。政府・日銀がインフレ対策で足並みをそろえられるかが、市場安定のカギを握る。

長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りは今週、一時2.800%に上昇(債券価格は下落)した。日本相互証券によると1997年5月以来、29年ぶりの高水準。

原油高の影響による値上げは既に企業間取引で顕著になっており、今後、幅広い製品やサービスに波及する可能性がある。日銀は4月の金融政策決定会合で政策変更を見送ったが、政策委員の一人が「わが国の政策金利は群を抜いて世界最低水準にあり、金利(水準の)調整を続ける必要がある」と発言するなど、利上げの必要性を強調する意見も増えている。

高市早苗首相は、物価高に対応するための今年度補正予算編成を指示した一方、日銀の利上げには慎重だとみられている。日銀が利上げをためらって急激なインフレを許せば通貨の信用を失い、円や日本国債の売りがさらに勢いを増す危険性がある。

日銀の植田和男総裁は19日に閉幕した先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の後にパリで記者会見し、「国債市場の動向は政府とも緊密に連携しつつ、しっかりと見ていく」と述べ、長期金利を注視する構えを示した。

日銀は6月15、16両日に次回会合を開く。インフレ圧力を抑制するため、政府と意思疎通を図って昨年12月に続く追加の利上げに踏み切るかが焦点になっている。

〔写真説明〕上昇した長期金利を示すモニター=18日、東京都中央区

2026年05月21日 08時31分


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