
【シドニー時事】オーストラリアで今年栽培される小麦の収穫量が大幅に減る見通しだ。中東紛争を受けた石油価格高騰で、農機用燃料や肥料の調達が難しくなり、農家が作付面積の縮小を余儀なくされたため。日本に輸出される豪産小麦の大半はうどんの麺に使われており、減産が日本の国民食に影響を及ぼすのは必至だ。
豪農水省は2日、新会計年度(2026年7月~27年6月)の小麦生産量が今年度比26%減の2670万トンになるとの予測を示した。もともと、少雨を理由に例年よりも収穫は低調と予想していたところに、石油危機が追撃。同省は「燃料・肥料の高騰で採算が悪化するため、多くの農家が休作地を設ける見込みだ」と説明している。
日本政府によると、日本は豪産小麦を年間約75万トン輸入。主に中力粉に加工され、弾力性や色の白さからうどんの麺に活用されている。輸入量では米国産やカナダ産が上回るが、これらはパンやケーキ、中華麺などに適した小麦だ。日本産の量には限りがあり、豪州産が激減すれば、うどんの原料確保は難しくなりそうだ。
豪州では、南半球の秋に当たる4~6月に小麦の種をまき、冬場に育成。春から初夏の10月~翌年1月に収穫する。仮に石油危機がすぐ収束しても、小麦の生産量回復は来季以降となる。また、食用油の原料である菜種や家畜飼料のモロコシも収穫減が予測されており、油揚げや肉といったうどんの具の価格上昇を招く可能性がある。
〔写真説明〕小麦の収穫風景=2025年11月、豪ニューサウスウェールズ州(AFP時事)
〔写真説明〕きつねうどん
2026年06月06日 21時11分